ジムで肩こり悪化!?パーソナルトレーニングで問題解消しよう

間違ったトレーニングのデメリット

ジムに行くと肩がこるのはなぜ?

ここ数年、24時間ジムや小規模ジムが爆発的に増え、フィットネスが身近になっています。

そういったジムでは、ご自分のライフスタイルに合わせて24時間いつでも気軽にトレーニングできるメリットがある反面、トレーニング指導を専門とするトレーナー不在のジムも多く、間違ったトレーニング方法や、マシーンの間違った使い方が原因となり、「ジムで肩こり悪化!?」のタイトルのように感じている方が増えているのも事実です。

当トレーニングジムでは、数多くのお客様から「ジムに行くと、なぜか肩がこるんです」とご相談をいただいています。

具体的には、「ジムに行って自分でトレーニングマシンやダンベルで上半身(特に背中や二の腕)のトレーニングをすると、必ずと言ってよい程、肩と首がこってしまう」というご相談です。

お客様の感じていらっしゃる通り、間違った方法でトレーニングをすることで、肩や首ばかりがこってしまう現象が起こります。その仕組みと、解決方法について解説していきます。

背中と二の腕のトレーニングは、間違うと肩や首がこる

私もパーソナルジムを開業する前にスポーツクラブでパーソナルトレーナーをしていました。

そのころジムでは、マシンやダンベルが置いてあるエリアで、トレーニングの種目とはおそらく関係ないであろう肩や首を揉んだり押さえたりして、ほぐしている方をよく見掛けていました。

そういった方に共通するのは、【ターゲットにしている筋肉に使っているor効いている感覚がない】ことです。ジムでダンベルやマシンを使って、背中や二の腕を一生懸命トレーニングしても、肝心の背中と二の腕は使われず、肩や首ばかりがこってしまいます。そのカギを握るのは肩甲骨。

肩甲骨が誤った動きをするため、ジムで自己流にトレーニングすることで、肩こりをひどくしているのです。

カギを握る肩甲骨(背中編)

正しいトレーニング

では、ここからは具体的なトレーニング種目を参考に解説していきます。

背中を引き締める種目としてジムによく置いてあるラットマシン(※メーカーによってデザインは異なりますが、基本的な構造は同じです。)

ここでのラットとはネズミという意味ではなく、背中の筋肉である広背筋という意味で、広背筋を鍛えることのできるマシンになります。

動作は簡単で、座面に座り、頭上のバーを胸に向かって引き寄せることでラットプルダウンという種目のトレーニングを行います。

まずは、ラットプルダウントレーニングの正しい動きをご覧下さい。

間違ったトレーニング

一見、簡単そうに見えますね?ですが、多くの方が誤った動きをしているトレーニング種目でもあります。誤ったトレーニング方法の写真をご覧ください。

違いが分かりますでしょうか?

正しくトレーニングを行なっている方は、
バーが頭上の位置でも、胸に引き寄せた位置でも肩(肩甲骨)の高さが変わりません。

誤ったトレーニングを行なっている方は、
バーの位置に関係なく肩甲骨が上がって首がすくんでいます。

※写真は同日時に撮影した私(長谷川)の写真です。
よく見ると、正しいトレーニングを行っている方が背中が引き締まっているのが分かると思います。

・僧帽筋上部(緑線で囲った箇所)

・肩甲挙筋(左側の写真です。実際には左右に存在します。)

 

背中の筋肉(広背筋)は片側だけでこんなに大きいのですが…
使われないのは損ですね…
自己流で一生懸命トレーニングをされている方であればある程、陥りやすいトラップのようなものです。

カギを握る肩甲骨(二の腕編)

正しいトレーニング

二の腕のトレーニング種目を参考に肩甲骨の使い方を解説してゆきます。

二の腕とは上腕三頭筋という筋肉で、
肘を伸ばす動き&腕を後ろに引く動きが組み合わさると最も効果的に使われます。

・上腕三頭筋


前出したラットマシンのバーの部分を、ローブ状の道具に換えることで二の腕のトレーニングを行うことが出来ます。

before

after

機材の正面に立ってロープの下部を掴み、
そのまま小さな前へならえの姿勢を取ったところから開始し、肘の曲げ伸ばしのみ繰り返す、プレスダウンと呼ばれるトレーニング種目です。
【プレスダウン】

側面

後面



背中を引き締めるラットプルダウンと同じく、簡単そうに見えますよね?
ですが、こちらも多くの方が誤った動きを繰り返している種目でもあります。
※写真は正しい肩甲骨の使い方をしています。

 

間違ったトレーニング

では間違ったトレーニングでは実際に肩甲骨がどのように動いているかというと…

こんな感じです。

そう!!
ラットプルダウンと同じ現象が起こります。

 

正しく行なっている方は、
肘を伸ばしても曲げても、肩(肩甲骨)の高さが変わりません。

誤って行なっている方では、
常に肩甲骨が上がって首がすくんでいるのが分かります

ラットプルダウンと同等かそれ以上にプレスダウンでも、ほとんどの方が首をすくめています。

一生懸命トレーニングを行おうとがんぱっている方ほど尚更、首をすくめてトレーニングしている可能性が高いのです。

 

パーソナルトレーニングで脱・自己流も

統計を取った訳ではありませんが…
トレーナーとしての10年程度の経験上、ラットプルダウンをされる8割以上の方が、
このような首をすくめる誤ったトレーニングをされています。誤ったトレーニングをされた方に「どこが疲れましたか?」と訊ねると、
もれなく全員が肩や首周りと返答されます。

 

なぜならば、結果的に首をすくめる働きのある僧帽筋(上部)や肩甲挙筋といった筋肉が働いてしまい、背中のトレーニングではなく首や肩を酷使することで、肩こりや首の疲れを増やしているのです。

正しいトレーニングを行えばもちろん効果的ですが、
誤った使い方だと効果的でないばかりか、肩や首がこる残念な結果となってしまう訳です。

このように背中や二の腕を鍛えたいのに、肩甲骨が上がってしまうような余分な動きのことを代謝動作といいます。トレーニング中に代謝動作が起こると、狙っている部位を鍛えられないだけでなく、体にとって大変なデメリットを被ります。効果的なトレーニングを行なうため為に、余分な動きを限りなく抑える必要があるのです。

 

そのためには、ジムでトレーナーに相談できるようであれば、

・ここで紹介したトレーニング以外にも、代償動作が起こっていないかどうか?
・起こっている場合はどのようにして抑えれば良いのか?
・何が原因で代償動作が起こっているのか?

など、質問をしてみてください。本当に効果を出すため正しいトレーニングを行うよう心がけましょう。

行く末が大きく変わるきっかけになるはずです。

自己流のトレーニングで不調を感じるような場合は、ぜひ一度パーソナルトレーナーもご検討ください。